イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「でも、私みたいなのが参加しても……」
いつもの癖でそう言いかけると、川口さんににらまれた。
そうだ。できない理由や言い訳を探しても、いつまでも変われないんだった。
「えっと、迷惑をかけるかもしれませんが、参加してもいいですか?」
のどを上下させて緊張しながらそう言うと、「もちろん」と川口さんが微笑んでくれた。
「きっちりメイク教えてあげるから、可愛くしていこうね」
うきうきと声を弾ませたスミレさんに、あらたまって向かい合った。
「あの、スミレさん。前に、私はもう少し髪を切った方が似合うって言ってくれましたよね……?」
おずおずと切り出すと、スミレさんがぱぁっと顔を輝かす。
「もしかして、新しい扉開く気になっちゃった?」
「どうせ開くなら、思い切って一気にいっちゃおうと思いまして」
「一気にってことは、コンタクトも?」
「お店、教えてください」
私がぺこりと頭を下げると、がぜんやる気になったスミレさんが、「まかせて!」と力強く胸を叩いた。