イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
もともと、会社の集まりは忘年会や歓送迎会などの参加せざるをえないものに出るだけで、こういう個人的な飲み会に来るのははじめてだ。
それだけでも十分緊張するのに、急遽飲み会に参加させてもらったうえに、三十分の遅刻なんて、なんというかもう、帰りたい。
けれど、そんな弱音を吐けば、色々親身になって相談に乗ってくれた川口さんや、一日かけて私を変身させてくれたスミレさんに失礼だ。
「こちらです」
うつむきがちに進んでいると、立ち止まった店員さんが扉の前でこちらを振り返った。
飲み会はこの扉の向こうの個室で行われているらしい。
中からにぎやかな話し声が漏れてくる。
胸がはりさけそうなくらいドキドキして息がつまる。
のどの奥がぎゅっと苦しくなって唇を噛むとぽんと肩を叩かれた。
顔を上げると、スミレさんが私の隣で笑っていた。