イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「佐々木さん、さっきからさりげなくボディータッチが多いですよ」
「いや、だってこの子、反応がいちいち可愛くて」
「ずるいですよ」
頭上で交わされるそんな会話を聞きながら、頭の中はパニックだ。
なんだこれ。なんだこの状況。
どうしていいのか分からずに周りを見渡せば、向かい側に座る川口さんと目が合った。
涙目で硬直する私を見て、苦笑を浮かべている。
助けを求めるようにじっと見つめると、口元に手をやりながらうなずいてくれた。
「佳奈ちゃん」
よく通る声で私の名前を呼び「こっちにおいで」と手招きしてくれる。
ほっとして左右にいるふたりに頭をさげて、よろよろしながら移動した。
「佳奈ちゃん、すごいモテモテだね」
ぐったりと肩を落とした私に向かって、そんな冗談を言う川口さん。
「モテモテというか、周りの人たちのコミュニケーションスキルの高さについていけなくて、恐怖すら感じます」
私が真顔でそうもらすと、川口さんは肩を揺らして笑った。