イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「俺のくせにって、なんだよ」
「だって、実家にいたころの拓海の部屋、いっつも汚かったから」
漫画の本やゲームや脱いだ服で、足の踏み場もなかった拓海の部屋を思い出す。
家がお隣さん同士だったから、私の部屋の窓を開ければ一メートル先にすぐ拓海の部屋があった。
『自分のベッドがもので溢れて眠れないから』なんて身勝手な理由で、人の部屋に勝手に上がり込み、寝ている私を突き落としてベッドを占領するなんてことは日常茶飯事だった。
「何年前の話だよ」
拓海はあきれたようにそう言って、目元を緩ませて視線をこちらに投げる。
その男の色っぽさに、おもわずごくりとのどが鳴る。
「……佳奈」
私の動揺を面白がるように、艶のある声で私の名前を呼んで微笑んだ。
それだけで肌がざわりと粟立つ。
緊張で汗ばんだ手のひらをぎゅっと握ると、腰を抱き寄せられた。
「た、拓海……っ?」
驚いて身をすくめていると、拓海が私の髪に顔を埋める。
うなじのあたりに拓海の吐息が触れて、ぞくぞくしてしまう。