イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
おどろいて見上げれば、拓海が私の体を胸の中に抱きこむようにして、川口さんのことを睨みつけていた。
「……俺が嫌なんだよ」
拓海に肩を抱かれながら、ぱちぱちと目を瞬かせる。
思わず小さくもがくと、拓海が腕に力をこめた。
「こいつに、なれなれしく触んな」
私を胸に囲い込みながら、怒りのこもった低い声でそう言った。
「せ、先輩の川口さんに、なに失礼なこと……」
拓海の乱暴な口調に驚いて言いかけると、するどい視線が私に向けられる。
その迫力に呑まれ、言葉が出なくなってしまった。
「お前も、触られて嬉しそうにしてんじゃねぇよ」
「別に嬉しそうになんて……」
戸惑いながら視線を落とすと、耳元で舌打ちが聞こえた。
「彼女がいるってわかってんのに、コンタクトにして髪切っておしゃれして、そんなに川口さんのことが好きなのかよ」
その拓海の言葉に、目を見開いた。
「……え?」