イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「すみません。こいつ、連れて帰ります」
拓海が川口さんに向かってそう言うと、それまでじっと私たちのやりとりを見守っていたみんなからわっと歓声があがった。
からかうような口笛。はしゃいだ拍手。
女の子たちからは少しのブーイング。
奥にいるスミレさんは両手を上げてガッツポーズをし、川口さんはあいかわらずからかうような表情で笑っていた。
なんだこれは。
いったいどういうことなんだ。
「行くぞ」
手を引かれ、ぼうぜんとしたまま私は店を後にした。