イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
それを、たまたま私が聞いてしまったというわけか。とんでもない事実に目を見開く。
その言葉のせいで、私は十年も叶わない初恋をこじらせてきたのに。
というか……。
言われた言葉を頭の中で整理して、眉を顰める。
私を可愛いと言ったクラスメイトに腹を立てたり、告白しないように仕向けたり、それってもしかして。
「た、拓海も私を好きだったの……?」
驚愕の事実に飛び上がると、拓海は私の頭にあごをのせたままうなずいた。
「うそうそうそ! そっちこそ、好きだって言ってくれればよかったのに……! それに高校時代、女の子と遊び倒してたじゃない……!」
「まぁ、親が離婚してほとんど家にひとりだったから、ちょっとはめをはずして遊んでた時もあったけど、お前を好きだって自覚して適当に女の子と遊ぶのやめたら、告白もしてないのに『拓海のことなんて好きじゃない!』ってなぜか一方的に振られたし」
「あ……」
横から顔をのぞきこまれ、身に覚えがある思い出話に気まずくなる。