イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
それまで来るもの拒まず去る者追わずのスタンスだった拓海が、女の子と遊ぶのをぱたりとやめた時期があった。
だれか特定の彼女ができたんじゃないかと躍起になって探し回る女の子たちに、『あんたじゃないの』と詰め寄られたことがあった。
確かに幼馴染だったから仲が良かったし、頻繁に家を行き来していたけど、恋愛経験ゼロの私を拓海が好きになるわけなんてない。
絶対に違うと必死に否定すると、『じゃあ拓海くんに好きじゃないって言ってみてよ』と強制的に言わされた。
その時のことを白状すると、拓海は顔をしかめ「女子ってこえぇな」とつぶやく。
「っていうか、そんな子たちを相手に適当に遊んでたあんたの自業自得じゃない。こっちはむしろ迷惑かけられた被害者なんだけど」
少しは反省しろ、と睨むと拓海は苦笑いをして肩を揺らした。
「まさか、そんなことですれ違って十年間も片思いし続けるとか、バカみてぇ」