イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
唇が離れると、視線が絡んだ。
なんだか照れくさくて小さく笑ってみると、拓海も優しく微笑んでくれた。
それだけで信じられないくらい幸せで、拓海の胸に顔をうずめてため息をつく。
そんな私を、拓海は意地悪な表情で見下ろした。
「お前ひとりで満足そうな顔をしてるけど、俺はこんなんじゃ全然足りないからな」
「へ?」
足りないってなんのことだと目を見開くと、拓海は私の体を横抱きにして持ち上げた。
「ちょ、拓海……?」
慌てて肩にしがみついた私を抱き上げたまま、ベッドルームへと歩いていく。
「今日は、途中でやめる気ないから」
そう宣言されて、一か月前にこのベッドルームで未遂でにげだしたことを思い出し、一気に鼓動が早くなった。
ベッドの上に下ろされて、緊張しながら拓海を見上げる。
「たぶん、優しくしてやる余裕ないから、本気で嫌なら今のうちに言えよ」
わずかに微笑みをたたえた拓海にそう言われ、私はごくりと息をのんで首を横に振る。