イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

「こうやって可愛くなったのは、全部俺のため?」

熱くなった頬にキスをした拓海が、首を傾げて私の顔をのぞきこむ。
わかってるくせにたずねる意地悪な拓海に、真っ赤になりながらうなずいた。

「ずっと地味な自分がコンプレックスだったから、自分にできる努力をしてすこしでも可愛くなってから告白しようと思って……」
「別にお前、地味じゃないのに」

不思議そうに言った拓海に、驚いて瞬きをする。

「え?」
「お前を地味だと思ったこと一度もないけど。ずっと可愛いと思ってた」

当然のように真顔で言われ、ぶわっと顔が熱くなる。

確かに学生時代、周りの男子たちにはさんざん地味だの眼鏡女だのからかわれてきたけど、拓海は一度もそんな男子たちと一緒になってさわぐことはなかったし、私の外見をけなすことを言ったこともない。

「でも、拓海のまわりにはいつも可愛い子がたくさんいたから、私なんて眼中にないんだと思ってた」


 
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