イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「はい。コンタクトと眼鏡」
スミレさんのおうちに行き、ダイニングテーブルに案内され座っていると、目の前に紙袋を差し出された。
コンタクトレンズ屋さんのロゴマークが入った、白い紙袋。
「ありがとうございます」とお礼をいいながら、さっそく袋の中から眼鏡を取り出す。
使い慣れた黒縁眼鏡を耳にかけると、一気に視界がクリアになる。
あぁ、やっぱり眼鏡があると安心できる。
いつも通りの本来の自分に戻ったみたいだ。
ほっとしながら指で眼鏡のフレームを押し上げると、その様子を見ていたスミレさんに不思議そうに首をかしげられた。
「せっかくコンタクト作ったのに、迷わず眼鏡をかけちゃうんだね」
もったいない、という表情でみつめられ、慌てて私は頭を下げる。
「すみません、せっかくお店まで付き添ってくれたのに」
「やっぱりコンタクトは合わなかった?」
「合わないわけではないんですけど……」