イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
けれど触れる直前で、その手は拓海に容赦なく払い落とされた。
「馴れ馴れしく触らないでください」
「うわ、窪田が冷たい」
すっと冷たい表情になった拓海に、川口さんが両手を胸に当てて大げさに傷ついたアピールをする。
「拓海、川口さんは私を女としてなんか見てないからね。珍獣を可愛がるような気持ちで触ってくるだけだし、私も川口さんに頭を撫でられたってなんにも感じないから」
失礼な拓海に慌てて言うと、「わかってる」と仏頂面でうなずいた。
「今まで川口さんが佳奈にベタベタ触ってたのは、俺を挑発してけしかけてたんだろうなってわかったけど、それでも面白くない」
そう言った拓海が眉根をよせて川口さんのことを見る。
しばらく無言の時間が訪れる。部屋に流れる緊張感にハラハラしていると、「ぷっ」と川口さんが吹き出した。