イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「こうやって、手をつなぐのはじめてだから、緊張して……」
消え入りそうな声で私が言うと、拓海がくしゃりと笑った。
「そんなことで緊張するなよ」
「だって、こうやって恋人と手をつないで歩くのにずっと憧れてたから……」
モテる拓海から見れば、こんなささいなことに憧れるなんてばかみたいだと思うだろうな。
言いながら恥ずかしくなってきて口ごもると、つないだ手をぐっとひっぱられた。
思わずよろけると、あごを持ち上げられ一瞬顔が重なった。
視界が覆われたのは一瞬で、ぱちぱちと目を瞬かせてからようやくキスをされたことに気付く。
自覚してぶわっと顔を赤らめた私を見て、拓海が楽しげな笑みを浮かべた。
「ほかには?」
「ほ、ほかにはって?」
拓海の問いかけの意味が分からず首をかしげると、つないだ手にきゅっと力をこめられた。
「ほかに、憧れてることはある?」
まっすぐに見つめられて、はにかみながらうなずいた。