イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
「キ、キスはしないの……?」
顔をそらしながらそう聞くと、緊張で私の声が裏返った。
「キス?」
「さっきから、おでことか頬にはするくせに、その、……く、唇にはしないから……」
恥ずかしさのあまり、じわりと体温があがっていく。
ぎゅっとシーツを握りしめながらつぶやくと、頭上で拓海が笑った。
「なに。キスしてほしいってねだってる?」
「いやっ! そういうわけじゃなくてっ! ただ、一般的にこういうときは唇にキスをするものなんじゃないのかなっていう、素朴な疑問というか、知的好奇心というかっ!!」
すごい勢いで首を横に振って慌てて否定すると、「ふーん」と不機嫌そうなつぶやき。
「じゃあ、口にキスはしないでおく」
少しぶっきらぼうな返答に、私は首をかしげた。
「なんで?」
抱いてくれるのにキスはしないって、その違いはなんだろう。
覆いかぶさる拓海を見上げると、整った顔がふてくされたようにゆがんでいた。