イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
拓海のバカ。アホ。まぬけ。
頭がいいくせに鈍感で身勝手で俺様な最低男。
心の中で思いつく限りの悪口を並べながら、急いで服を着て靴を履く。
ばたんと大きな音をたてて拓海の部屋の玄関のドアが閉まったと同時に、気が緩んで涙が込み上げてきた。
男の人と付き合ったことも、手も握ったこともない私が、ただの幼馴染に『抱いてください』なんて言うわけがない。
恥ずかしさも恐怖も我慢して、初めての痛みも覚悟して、ベッドの上ですべてをさらけ出してでも抱いてもらいたいと思う理由なんて、ひとつしかない。
――ずっとずっと、拓海のことが好きだったからだ。
幼馴染で兄妹のように育ってきた、私の初恋の人。
ずっと、好きだったけど、拓海が私のことを女として見ていないはわかってたから、告白できずにいた。
その上、拓海が高校の時に『処女なんて面倒だから絶対付き合いたくない』『恋愛経験のない女は重たいから嫌だ』なんて最低な発言をしているのを聞いて、私の初恋は叶わないんだと諦めた。