イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
後ろめたくてうつむくと、手首をつかんだ指に力がこめられた。
「そういえば処女を捨てたいって言ってたのに、結局最後までしないままだったよな」
私がとんでもないお願い事をしたときのこと持ち出され、顔が熱くなる。
あれからあの話題にはお互い触れなかったから、なかったことにしてくれるのかと思っていたのに。
「えっと……」
戸惑いながら目をそらすと、拓海がこちらに身を乗り出した。
私の後頭部に手が回り、体を引き寄せられる。
「あの時の続き、してやろうか」
耳元でそうささやかれ目を見開くと、ぐるりと世界が反転していた。
いつの間にか床に押し倒され、視界には私を覆いかぶさる拓海の姿。
天井からの照明が逆光になって、拓海の表情がよく見えなかった。
「拓海……?」
冗談、だよね。
ただ、私をからかっているだけだよね……?
戸惑いながらつぶやいた私の声は震えていた。