イジワル同期の独占欲に火をつけてしまいました
 

体の真ん中で心臓が、どくんどくんと大きく鳴ってる。

私の顔の横に手をついた拓海がゆっくりと身を屈め、整った顔が近づいてくる。

光に目が慣れてきたのか、拓海の表情が見えた。苛立ちと色気を纏った男の顔。
その色っぽさに思わず目をうばわれると、次の瞬間唇をふさがれた。

キス、してる。拓海と……!

驚きで体を強張らせると、キスをしながら拓海の手が私の頬を包み込む。
触れては離れまた触れる、静かなキス。

唇かこんなに敏感だなんて知らなかった。
重なった薄い皮膚から拓海の温かさを感じて、じわじわと胸が熱くなる。

愛おしさと一緒に、どうしてという疑問が湧き上がる。

どうして拓海が私にキスなんて。


「やだ……!」

我に返った私が両手で拓海の胸を押しかえすと、覆いかぶさる拓海が眉をひそめてこちらを見下ろしていた。


 
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