彼の甘い包囲網
奏多は何も言わない。
グスッ、と私が鼻をすする音だけが響く。
何て情けない告白。
好き、以外に何も言えない。
それ以外に何を言えばこの切なさを、想いを伝えられるのかわからない。
長い長い時間が経った気がした。
沈黙に耐えられず恐々見上げると。
奏多は、今まで見たことのない泣きそうな顔をしていた。
「……マジで……」
私から離れて、奏多は口を片手で覆う。
「……奏多?」
離れていく奏多に最悪の結果を予想する。
奏多の顔を直視できずに俯く。
今すぐここから逃げ出したい、そう思って。
「……楓」
名前を呼ばれた。
奏多が私に近付いた。
「……楓。
俺を見て」
むずかるように俯いてイヤイヤをする私の顔を奏多が上向かせた。
奏多の紅茶色の瞳を見つめ返す勇気はない。
視線を逸らすと、奏多の肩が少しだけ震えていることに気付く。
どうして、と疑問を感じていると。
「楓を愛している」
ただ一言、降ってきた言葉は。
抜群の破壊力で私の心臓を撃ち抜いた。
何……?
今。
私、何かを言われた?
「愛してる、ずっと」
切迫感さえ感じる言い方で奏多が繰り返す。
……愛……?
頭の中で、今聞いたばかりの奏多の言葉が再生される。
その瞬間。
ぶわああっと現実感が押し寄せた。
「何で泣く……」
困ったように奏多が私を見つめる。
泣く……?
誰が?
呆ける私の涙を何度も拭いながら。
奏多は根気強く告白を繰り返す。
「楓をずっと愛してる」
真摯な声が響く。
「傍にいて」
そう言いながらそっと私の涙を唇で吸う。
涙が出ていることにさえ気が付かなかった。
奏多がくれる言葉全てが甘くて切なくて。
私の頭は蕩けそうになっていた。
グスッ、と私が鼻をすする音だけが響く。
何て情けない告白。
好き、以外に何も言えない。
それ以外に何を言えばこの切なさを、想いを伝えられるのかわからない。
長い長い時間が経った気がした。
沈黙に耐えられず恐々見上げると。
奏多は、今まで見たことのない泣きそうな顔をしていた。
「……マジで……」
私から離れて、奏多は口を片手で覆う。
「……奏多?」
離れていく奏多に最悪の結果を予想する。
奏多の顔を直視できずに俯く。
今すぐここから逃げ出したい、そう思って。
「……楓」
名前を呼ばれた。
奏多が私に近付いた。
「……楓。
俺を見て」
むずかるように俯いてイヤイヤをする私の顔を奏多が上向かせた。
奏多の紅茶色の瞳を見つめ返す勇気はない。
視線を逸らすと、奏多の肩が少しだけ震えていることに気付く。
どうして、と疑問を感じていると。
「楓を愛している」
ただ一言、降ってきた言葉は。
抜群の破壊力で私の心臓を撃ち抜いた。
何……?
今。
私、何かを言われた?
「愛してる、ずっと」
切迫感さえ感じる言い方で奏多が繰り返す。
……愛……?
頭の中で、今聞いたばかりの奏多の言葉が再生される。
その瞬間。
ぶわああっと現実感が押し寄せた。
「何で泣く……」
困ったように奏多が私を見つめる。
泣く……?
誰が?
呆ける私の涙を何度も拭いながら。
奏多は根気強く告白を繰り返す。
「楓をずっと愛してる」
真摯な声が響く。
「傍にいて」
そう言いながらそっと私の涙を唇で吸う。
涙が出ていることにさえ気が付かなかった。
奏多がくれる言葉全てが甘くて切なくて。
私の頭は蕩けそうになっていた。