彼の甘い包囲網
私のマンションに着くまで、信号で止まる度に奏多はずっと私に触れていた。
頬や、頭、髪、指。
奏多の甘い態度に戸惑って、私はガチガチになっていた。
「……本当、可愛すぎ……」
溜め息混じりに何度も言う奏多の声音に色気がありすぎて、私はいたたまれなかった。
イヤイヤイヤ、おかしいから……!
そんなに可愛い、可愛い、今まで言ってきたことないくせに……!
何なの、何で?
……何でこんな甘い態度なの……!
まるで、す、すごく、私をす、好きみたいに……!
いつも何処か余裕すら見せて私に触れて、接していたのに。
その片鱗すら見当たらない。
どっちが本当の奏多なの?
ワケがわからない。
奏多が車をマンションの駐車スペースに停めて、シートベルトを外して降りようとすると。
「楓」
名前を呼ばれて、振り返った。
近付く長い睫毛。
「……んぅ!!」
奏多が私の唇を奪った。
私の下唇を吸い上げて。
唇の端にちゅ、と柔らかくキスを落とした。
「なっ……!」
唇を解放された途端に窓際にズザッと身体を寄せた私に。
「柊の前で出来ないだろ?」
ペロ、と舌を出して奏多は不敵に笑った。
……何かもう、奏多がさっきからおかしい……!
「……さ、触りすぎ……!」
心臓がおかしくなる……!
「……あー、もう。
やめて、その涙目。
試してんの?
俺の理性が……」
ブツブツ言いながら奏多がハンドルにつっぷした。
その時。
コンコン。
運転席の窓が外側からノックされた。
「……げ、充希……何でここに」
奏多が窓の外を見てウンザリした表情をした。
頬や、頭、髪、指。
奏多の甘い態度に戸惑って、私はガチガチになっていた。
「……本当、可愛すぎ……」
溜め息混じりに何度も言う奏多の声音に色気がありすぎて、私はいたたまれなかった。
イヤイヤイヤ、おかしいから……!
そんなに可愛い、可愛い、今まで言ってきたことないくせに……!
何なの、何で?
……何でこんな甘い態度なの……!
まるで、す、すごく、私をす、好きみたいに……!
いつも何処か余裕すら見せて私に触れて、接していたのに。
その片鱗すら見当たらない。
どっちが本当の奏多なの?
ワケがわからない。
奏多が車をマンションの駐車スペースに停めて、シートベルトを外して降りようとすると。
「楓」
名前を呼ばれて、振り返った。
近付く長い睫毛。
「……んぅ!!」
奏多が私の唇を奪った。
私の下唇を吸い上げて。
唇の端にちゅ、と柔らかくキスを落とした。
「なっ……!」
唇を解放された途端に窓際にズザッと身体を寄せた私に。
「柊の前で出来ないだろ?」
ペロ、と舌を出して奏多は不敵に笑った。
……何かもう、奏多がさっきからおかしい……!
「……さ、触りすぎ……!」
心臓がおかしくなる……!
「……あー、もう。
やめて、その涙目。
試してんの?
俺の理性が……」
ブツブツ言いながら奏多がハンドルにつっぷした。
その時。
コンコン。
運転席の窓が外側からノックされた。
「……げ、充希……何でここに」
奏多が窓の外を見てウンザリした表情をした。