彼の甘い包囲網
「ハイ、プレゼント」
長いキスから解放された私の手のひらに。
乗せられた、シャンパンゴールドの細いリボンがかけられた小さな焦げ茶色の箱。
「……え?」
「過ぎたけど、二十歳になったお祝い。
直接渡したかったから」
奏多が言う。
「あ、ありがとう……覚えていてくれたんだ……」
「当たり前」
フッと奏多が微笑んだ。
「開けて」
奏多に促され、シュッとリボンをほどいて箱を開けると。
大人っぽいオープンハートのネックレスが顔をだした。
キラキラ光る輝きはダイヤモンド……?
「か、奏多……!」
「気に入らなかった?
楓、ハートのネックレスが欲しいって高校の時に話してただろ?」
私はブンブンと首を横に振る。
「違う、そうじゃなくて!
スゴく綺麗で可愛らしくて嬉しいけど……こんな高価なもの……貰えないよ!
それに私、奏多に何も二十歳のお祝いをしていないよ!」
狼狽えて話す私の額を奏多がピン、と長い指で弾いた。
「いいの、俺が贈りたかったんだから。
楓が受け取ってくれなきゃ捨てるし」
「す、捨てるって……!
何を、勿体ないことを……!
それより、本当に私、奏多に何も贈ってないし……」
「そういう問題じゃない。
楓が喜ばなかったら意味がないだろ……?
じゃあ、今度、楓の振袖姿を見せて。
それでデート、しよう。
それが俺へのお祝い、な?」
奏多はそう言って箱からネックレスを取り出して私の首にかけてくれた。
チュ、と私のうなじにキスをして。
唇が触れた場所が熱くなる。
「……綺麗……ありがとう。
奏多……ほ、本当にそんなお祝いでいいの……?」
俯いて真っ赤になって言う私に。
奏多は満足そうに微笑んで。
「勿論。
……よく似合っている、可愛い。
あーもう、やっぱり指輪にすれば良かったな。
楓、それ、毎日付けろよ?」
「……う、うん?」
「男避け、だからな」
艶かな微笑みを浮かべて奏多は再び私の唇を塞いだ。
長いキスから解放された私の手のひらに。
乗せられた、シャンパンゴールドの細いリボンがかけられた小さな焦げ茶色の箱。
「……え?」
「過ぎたけど、二十歳になったお祝い。
直接渡したかったから」
奏多が言う。
「あ、ありがとう……覚えていてくれたんだ……」
「当たり前」
フッと奏多が微笑んだ。
「開けて」
奏多に促され、シュッとリボンをほどいて箱を開けると。
大人っぽいオープンハートのネックレスが顔をだした。
キラキラ光る輝きはダイヤモンド……?
「か、奏多……!」
「気に入らなかった?
楓、ハートのネックレスが欲しいって高校の時に話してただろ?」
私はブンブンと首を横に振る。
「違う、そうじゃなくて!
スゴく綺麗で可愛らしくて嬉しいけど……こんな高価なもの……貰えないよ!
それに私、奏多に何も二十歳のお祝いをしていないよ!」
狼狽えて話す私の額を奏多がピン、と長い指で弾いた。
「いいの、俺が贈りたかったんだから。
楓が受け取ってくれなきゃ捨てるし」
「す、捨てるって……!
何を、勿体ないことを……!
それより、本当に私、奏多に何も贈ってないし……」
「そういう問題じゃない。
楓が喜ばなかったら意味がないだろ……?
じゃあ、今度、楓の振袖姿を見せて。
それでデート、しよう。
それが俺へのお祝い、な?」
奏多はそう言って箱からネックレスを取り出して私の首にかけてくれた。
チュ、と私のうなじにキスをして。
唇が触れた場所が熱くなる。
「……綺麗……ありがとう。
奏多……ほ、本当にそんなお祝いでいいの……?」
俯いて真っ赤になって言う私に。
奏多は満足そうに微笑んで。
「勿論。
……よく似合っている、可愛い。
あーもう、やっぱり指輪にすれば良かったな。
楓、それ、毎日付けろよ?」
「……う、うん?」
「男避け、だからな」
艶かな微笑みを浮かべて奏多は再び私の唇を塞いだ。