放課後○○倶楽部
 だが、事件がそれだけは終わらず、思わぬ形で俺達にも煽りがやってきた。

 当時の電脳革命クラブ、福田高志(ふくだたかし)部長が関わっている事が判明し、事件後に先生達から事情聴取とばかりに一週間ほど生徒指導室に毎日のように呼ばれたが、福田部長が独断でやった事と自白したので俺達は無罪放免となった。が、あのときは先生達も冷静さを失っていたので、かなり酷い目にあったのも覚えている。

 だが、それでも事件から半年以上経っているにも関わらず一つだけ解決しない疑問がある。

 それは首謀者であった隊長が事件のときに大火傷をおって入院したと噂になっていたが、入院したという病院も現在の所在もまったくの謎になっている事だった。

「しかし、あの覆面連中は何者だ? ……妙に気になるんだけどな」
「気にしても仕方ないと思いますよ。暑いから変な連中が多いだけですよ」
「そうだが私の顔を見て逃げたのが気になるんだよ。失礼だとは思わないか? レディの顔を見て逃げるなんてっ」

 バンっと拳を机に叩きつけた和音さんは微妙に違う論点で怒っているようで、それを宥めるのは俺では無理そうなのでここはコハルと律子ちゃんの二人に任せるとしますか。

 願わくば、これが新たな迷惑の火種にならないでほしいと思いつつ、珈琲を一口含んでいた。
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