放課後○○倶楽部
第三話:変態の行動は理解不能である。
 さて、『変態部長女子更衣室覗き誤解事件(未解決)』から一夜明けて――。

 今日も何事もなく平和に過ぎ、あれよと言う間に放課後となっていた。しかし、放課後は面倒な事が待っているので少し頭が痛い。

「部長はどこに……?」
「さっきまでいましたけど、『可愛い子ちゃあーん』って叫びながらどっか行きましたけど」

 部長のモノマネ(?)を身振り手振りを交えてやっている律子ちゃんだが、俺がじっと見ているのが恥ずかしかったのか顔を真っ赤にして俯いてしまった。


 ……微妙なモノマネをありがとう、律子ちゃん。


 しかし、誰のために苦労しているのか、まったく分かってないようだな……あの人は。

「まあ、いなくてもいいヤツはほっとけ。それより、智樹」
「なんですか?」

 返事をして顔を上げたところにいきなり何かが飛んできて、条件反射に手を差し出して受け取ってしまった。

 これが柔らかくて匂いがきつい絶対に素手では触れてはいけない頭文字に『う』が付く三文字の"もの"だったら、俺は泣きながら手を洗い、ついでに和音さんを殺(や)ってただろうな……いや、危ない、危ない。まあ、手に載っている"もの"は俺の想像とは違う硬くて四角くてそれなりに重いものなので、その心配はなさそうだ。

「それと、律子――ほれっ」
「わ、とっと……や、ひゃわっ」

 俺と同じように投げられたものを受け取った律子ちゃんだが、お手玉のように手の上で躍らせ、怪しげな腰つきで踊り、そして――
「へうっ」
 転んでいた。

 見事なまでの転びっぷりに惚れ惚れしたが、受け取ったものは落とさずにしっかりと抱えていた。が、相変わらずのパンツ丸見え状態には感動すら覚える。今日はライトブルーの水玉ですか……いや、可愛らしいですな。
< 19 / 161 >

この作品をシェア

pagetop