俺様外科医に求婚されました



「それより、驚いたよ」

「…何がですか」


周囲から見れば、おかしい光景だったんだと思う。
迫ってくる男に、後退りする女。

そのせいか、歩道を行き交う人達は皆チラッと私達の方を見ながら通り過ぎていく。


「輪島から聞いたんだ」

「何を…ですか?」

「ん?理香子が、今は准看護師だってこと」


諒太がそう言った直後だった。
背中にゴンっと何かが当たり、私が慌てて振り返ると、そこには電柱があった。

後ろも見ずに下がり続けているうちに、気付かないままぶつかってしまったらしい。


「なかなか良い仕事するなぁ、この電柱」


すぐそばでそんな声がして、咄嗟に視線を前に戻す。

その瞬間、至近距離で諒太と目が合った。


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