俺様外科医に求婚されました



「輪島から、結婚してないことも聞いた。小野も、驚いてたよ」

「…っ」


その名前を聞いた瞬間、私の口から微かに声が漏れた。


「今日、理香子に会ったこと話したんだ。そしたらあいつ、すっげー驚いた顔で、元気そうで良かった!私も会いたいですって。色々複雑な思いもあっただろうけど…そう言ってたよ」


諒太の言葉を聞き終わると同時に、瞳いっぱいに涙が浮かんでいた。

そしてそれはポロポロと溢れ、次から次へと零れ落ちていく。

元気そうで良かった?どうして?
私も会いたいですって…何でそんなことが言えるの?


「…っ……」


涙が止まらなかった。
どれだけ我慢してみても。

ギュッと強く目を閉じていても。

小野さんのことを思い出すと、どうしても泣き止めなかった。


「それから…謝りたいことがあるって。なんか、そんなことも言ってた」


謝りたい?
どうして?謝るのは私の方だ。

私は彼女を傷つけた。悲しませた。
ウソをついた。逃げるように消えた。
ごめんねも…言えないまま。


それなのに、そんな私にどうして会いたい?
何を謝る必要があるの?


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