俺様外科医に求婚されました
悪知恵とか、職権乱用とか。
そりゃあおかしいとは思うけれど。
きっかけはどうであれ、今は…これで良かったのだと納得している。
それに…
「異動してから、大和先生のことも見直しましたし」
「えっ?俺?」
「はい。しっかりした、かっこいい先生だなって」
近くで見ることや接することが増えた分、いろんな一面を知ることができたわけで。
この人への誤解や勘違いも解けた。
「ははっ、かっこいい?マジ?」
「やっ…そういう意味じゃ」
「まあまあ照れるなって」
「別に…照れてません」
「可愛い、理香子。顔赤くなってる」
そう言われ、私は慌てて頰に手を当てた。
「うっそー」
すると隣から、ふざけた声で大和先生がそう言って笑う。
「な、何なんですか…」
「ははっ、本当可愛い。いちいち可愛い過ぎ」
「…ふざけないでください。…あっ!」
話に夢中で全然気がつかなかったけれど、ふと窓の外の景色を見てハッとなった。
「どうした、いきなり」
「いや、もうここかなり家の近くで。このあたりで降ろしてくれていいですよ」
「なんで?家の前まで送るって。夜中だし危ない」
大和先生はそう言うと、そのまま運転を続ける。