俺様外科医に求婚されました



‘‘それは確かに重症ですね。でもまた七時間後には会えるので。私は今から寝ます’’


指先を動かし、そんな文字を並べると送信マークをクリックした。

するとすぐに返信がきて。


‘‘うわー、LINEまでアッサリだな。あ、あさっての金曜は空けておいて。理香子の休みは確認済みだから’’


それからしばらく、メッセージのやり取りが続いた。


‘‘え?何かあるんですか?’’

‘‘何って、デートだよデート’’

‘‘えっ…デートですか’’

‘‘理香子と行きたい所があるから。空けとけよ’’


や、空けとけよって言われても。

隣で眠る母に目を向けると、罪悪感のようなものが生まれていく。

伯母さんにも、あんな風に言われたばかりだ。


色々考えながら、指先を動かしていた。
どうやって断わればいいのかと悩みながら。


‘‘あ、今もしかして断わる理由探してる?’’


でも、悩んでいるうちに先にそんなメッセージがきて。


‘‘本当に予定があるなら断わってくれていい。でも、そうじゃなかったらちゃんと空けてて。変なことはしない。純粋にデートするだけだ’’


送信されてきたその文字を見て、思わずクスッと笑ってしまった。

変なことはしないって…どういうことよ。


迷いはあった。
今はデートなんてしてる場合じゃないとは頭ではわかっていた。

彼氏とか、恋愛とか。
そんな浮かれたことを考えているヒマなんて、あってはいけないことくらい、ちゃんとわかっているつもりだった。


でも、私はバカだった。
現実を直視出来ていなかったのかもしれない。

ちゃんと現実と、母や伯母さん達と向き合えていなかったから。


‘‘わかりました。じゃあ、空けておきます’’


そう返信をしてしまってたんだーーーー。


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