俺様外科医に求婚されました



「そういえば、明日お仕事は?」


ようやく家に着き、玄関で靴を脱いでいる時だった。

伯母さんにそう聞かれ、明日の勤務時間のシフトを思い出す。

明日は、本来なら通常の日勤だ。
朝の九時から夜の六時まで仕事がある。

だけど私は、面会時間が始まる頃には病院に行きたい。


「明日は休みをもらうつもりです。朝一には、お母さんのところに行きたいので」


だから伯母さんに、そう答えた。


「そうか。俺は仕事帰りに寄るつもりだから遅くなりそうだけど、大丈夫かな?」


伯父さんは心配そうな顔で私にそう言った。


「私も午前中、少し予定が入ってるの。午後から病院に行くから先に行っててもらえるかしら?」


伯母さんもそう言って、私に目を向けた。


「大丈夫です、伯父さんも伯母さんも予定とか仕事があるのはわかってるので…私一人で全然平気です」


なんとか笑顔を作り、私は二人に向かってそう答えた。
すると二人はホッとしたように頷いて。


「理香子ちゃんも疲れただろうし早く休みなさい」
「おやすみ」


そう言うと、揃ってリビングに入っていった。


「おやすみなさい」


小さく呟くと、二階へ繋がる階段を静かに登っていった。
そして部屋に入ると、力が抜けたようにそのまま床に座り込んだ。


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