俺様外科医に求婚されました
「おはようございます、望月先輩」
「おはよう」
「私、先行きますね」
「はーい」
更衣室で一緒になった後輩とそんな挨拶を交わしながら白衣に着替えた私は、ナースキャップを被りピンで留めると鏡を確認した。
「よしっ、オッケー」
看護師になった最初の頃はナースキャップのピン留めが上手くできなくて、いつも手こずっていたけれど。
それももう、手慣れたものになった。
ロッカーを閉めると、背筋を伸ばし仕事モードに入る。
今日は月曜日だから、いつもより忙しくなりそうだな…。
更衣室を出た私は担当科の階にあるスタッフステーションに向かうため、廊下を足早に進んでいた。
だけど、その時だった。
前方からこちらに向かって歩いてくる男性の姿に、私の足が…ピタリと止まる。