俺様外科医に求婚されました
「募集中だけど、運命の相手はもう見つかってる」
諒太はそう言うと、私をぎゅっと抱きしめて。
「運命の人に出会ったり触れた瞬間、ビビッとくるとかそういうのを感じるって言うだろ?さっきキミの肩に触れた瞬間、まさにそれを感じたんだ」
耳元で、囁くようにそう言った。
変わらない諒太の声が。
聞き覚えのあるセリフが。
首筋から香る諒太と混ざり合ったシトラスの匂いが。
愛おしくてたまらない。
「キミはどうだ。今俺に触れていて、そういうの感じない?」
こっちが恥ずかしくなるような言葉を相も変わらずさらっと言ってのけてしまう諒太。
その背中に、私はそっと手を回す。
そういうビビッていう感覚は、私にはわからない。
感じたことはない。
でも、この人が私の運命の人ならいいなって。
そう思う人になら、もう出会ってる。
どうしようもないくらい、好きで好きでたまらない。
そんな人には、もう出会ったよ。
「…諒太、っ」
私はぎゅっと強く、諒太を抱きしめた。
だけどすぐに諒太の腕から抜け出し、真っ直ぐに向き合う。