俺様外科医に求婚されました



納得していたわけではない。

いきなり配属先が変わるなんて腑に落ちないし、この異動の件に噂どおりあの大和 諒太が関わっていたのだとしたら、尚更納得なんてできなかった。


でも、所詮私は雇用されている側。
勤務先では、黙って従うしかなく。


「とりあえず望月さん、一旦2B棟の脳神経科に行きなさい。向こうも朝礼は終えてるだろうけど、あなたの異動は伝わっているはずだから。そこにいる看護師か誰かに声をかけてみて」


朝礼を終えた婦長からそう言われた私は、渋々頷き重い足取りで小児ホスピスを後にした。



「…っていうか、異動ってどういうことよ?」


誰も乗っていないエレベーターに乗りこむと、そのドアが閉まった途端、心の声が自然と口からこぼれた。


「2B棟って、何科が入ってたっけ?婦長は脳神経科に行けとか言ってたよね?三階の手術センターとも言ってたよね?」


人間、混乱した状況に陥ると独り言であろうが疑問符のついた言葉を口にしてしまうのだろうか。

自分でも、今の自分がよくわからない。


「あー、もう…なんなの…」


そうこう言っているうちに、エレベーターは二階に到着してしまった。


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