俺様外科医に求婚されました
「こっちこっち」
そう言って手招きをされたので、恐る恐るその方へ進む。
「入って」
診察室の前まで行くと、先生は私をその中へと誘導してすぐに椅子に腰掛けた。
「まぁ座って」
「えっ?ここに、ですか?」
診察室の椅子に視線を落とし、先生の方を向いた。コクリと頷かれたので言われた通り、その椅子に座った。
小児ホスピスとは全然違うせいか、なんだか落ち着かなかった。
あの病棟には、こういった診察室がない。
あったのは、入院患者たちの病室や、スタッフステーション。家族の控え室、カウンセリングルームに子どもの広場だけだった。
「ホスピスと、全然違うだろ」
「は、はい…」
「いかにも病院って感じ?」
「まぁ…そう、ですね」
「いきなりこっちに異動になったから、ビックリしたか?」
そう聞かれて、私は思わずハッとなった。