俺様外科医に求婚されました



「それ聞いて安心した!ライバルになったら嫌だなーって。さっき相沢先生と握手してるの見て思っちゃってたの。って、いきなり私何言ってんだろ…ごめんね」


本当に申し訳なさそうな顔で、小野さんは私に謝ってきた。


「謝らないでください、私は絶対小野さんのライバルになんてならないですから」


そう言って小野さんに笑顔を向けると、彼女はホッとしたように笑顔を返してくれた。


「あ!もしかして、彼氏とかいるの?」

「いえ、いないですよ!私は今…のんきに恋愛してる場合じゃないんで」


ふと口からこぼれてしまった言葉。
頭には、ふと母の顔が浮かんでいた。


「えっ?のんきに恋愛してる場合じゃないって…」

「や……すいません、そういうつもりで言ったんじゃなくって…その…ごめんなさい」

「謝らないで。のんきに、が気に障ったとかじゃないから。何か困ってることでもあるのかなって思っちゃって」

「全然…そんなんじゃないんで…すいません。あ!そうだ」


自分で言っておきながら慌てて隠すように話題を変えた私は、3階の手術センターに着くとポケットに入れていたメモ用紙とペンを取り出して小野さんの隣に寄り添った。


「手術センターって初めて来たんですけど、めちゃくちゃ広いですね!あ!この、管理部門っていうのは何をするところなんですか?」


早く空気を変えたい一心で、キョロキョロ視線を動かして目についたことを質問した。


「あ、ここはね、中央材料室が入ってたりして」


そして小野さんの声を聞きながら、ペンを握りメモを取り、頭を切り替えるように仕事に集中していった。


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