俺様外科医に求婚されました
黙っていれば、この人は本当に完璧な人だと思う。
見た目も、仕事も。女が憧れるような理想の男そのものだ。
「今日は良い日だ」
「はい?」
「笑ってる顔を二回も見られた。ラッキーデーだろ」
だけど、こういうことをサラッと軽く言っちゃうから…誰にでもこんな感じなんじゃないかと、私はつい警戒してしまうのだ。
「ってことで、ラッキーついでに彼女は俺が送っていく。相沢は小野さんを頼む」
えっ⁉︎何でそうなる⁉︎何この流れは⁉︎
「いいんですか⁉︎相沢先生」
「えっ、あぁ…俺は別にいいけど」
「やった!ありがとうございますー!」
「お、ちょうどタクシー来たぞ!これ止めるからおまえ達先に乗れよ」
タイミング良過ぎでしょ!と思わずツッコミたくなるくらいのタイミングで、一台の空車タクシーが目の前で止められた。
そして後部座席のドアがスーッと開くと、相沢先生が先に乗りこみ、小野さんもその後に続いてすぐにタクシーに乗り込んでしまった。
「諒太先生、ありがとうございました!望月さんも今日はありがとう!また明日ね」
先ほどまで寝ていたとは思えないくらい、とびっきりの笑顔を見せる小野さん。
その小野さんの奥では、相沢先生がこちらに向かってヒラヒラと手を振っている。
「じゃあ、また」
そしてそんな声がした直後、バタンとドアが閉まりタクシーは夜道を走り出していってしまった。