俺様外科医に求婚されました
…って、何でこうなる。
「すぐタクシー通ると思うから、ちょっと待ってて」
車道の行き交う車を見つめながら大和諒太はそう言ってタクシーを探し始めた。
その姿を数秒ほど見ていた私は、少し考えてからその背中に向かって口を開いた。
「あの!大丈夫です!まだ時間も早いし、私は電車で帰りますので」
私がそう言うと、すぐに大和諒太はこっちを振り返った。
それを見て、私はぺこっと頭を下げる。
「なので、お疲れ様です」
そして帰る挨拶をすると、足早に駅に向かって歩き始めた。
けれど、ほんの数歩歩いたところでいきなり後ろから腕を掴まれ足を止められた。
「わっ…」
そして後ろに引き寄せられるように腕を引かれた私は、振り返ると同時にその引力で何かに…ぶつかってしまった。
って…何かに、じゃなくて。
この肌色は…もしかしてそうなのか。
目の前に見える首筋。
そして、喉仏。
咄嗟に顔を上げると至近距離で大和諒太と目が合った。