たとえ嫌だと言われても、俺はお前を離さない。
エレベーターで上がって、七階で降りる。
突き当たりの一室が部長の部屋だった。
カードキーで玄関のロックを解除する部長の姿を見ながら、念の為「一人暮らしですか?」と聞くと「ああ」と返ってきたのでそこは安心した。
広くて、綺麗なお部屋。あまり物が置かれていなくて殺風景とも言えるけど、きちんと掃除されていた。
「そこのソファ使え」
リビングらしき部屋の戸を開けながら、部長がそう言ってくれる。
部屋の真ん中に大きなガラステーブルが置いてあり、それをコの字に囲むように水色の大きなソファがあった。
「ありがとうございます」
ふらふらとソファの前まで歩いていき、そして吸い込まれるようにうつ伏せに倒れ込んでしまった。ふかふかしてて気持ち良い……。
「水、置いておくぞ」
その言葉と同時に、ガラステーブルからカタン、という音が聞こえた。顔を上げると、水の入ったグラスが置かれていた。
ゆっくりと身体を起こしながら、「すみません」と言ってグラスに口付ける。
身体が冷んやりとしてとても気持ちが良い。
「酒で具合が悪くなることは誰にでもあるしな」
そう言って部長は、私から少し間隔をあけて座った。
そして「でも」と言葉を続け、
「次回からは、女性社員がいる時に具合が悪いことを伝えろ。そうすれば俺の家まで連れてこなくて済んだ」
そう、言われてしまった。
怒らせてしまっている、よね? 当然だ、自己管理もまともに出来ていなかったせいで、こんな風に上司の家に転がり込んで迷惑を掛けているんだから……。
申し訳なさすぎて、目を逸らしながら「本当にすみません。ご迷惑をお掛けして……」と謝る。すると、
「違う、そうじゃない」
と、私の謝罪を否定される。
思わず顔を上げ、部長と目を合わせて「え?」と聞き返すと。
突き当たりの一室が部長の部屋だった。
カードキーで玄関のロックを解除する部長の姿を見ながら、念の為「一人暮らしですか?」と聞くと「ああ」と返ってきたのでそこは安心した。
広くて、綺麗なお部屋。あまり物が置かれていなくて殺風景とも言えるけど、きちんと掃除されていた。
「そこのソファ使え」
リビングらしき部屋の戸を開けながら、部長がそう言ってくれる。
部屋の真ん中に大きなガラステーブルが置いてあり、それをコの字に囲むように水色の大きなソファがあった。
「ありがとうございます」
ふらふらとソファの前まで歩いていき、そして吸い込まれるようにうつ伏せに倒れ込んでしまった。ふかふかしてて気持ち良い……。
「水、置いておくぞ」
その言葉と同時に、ガラステーブルからカタン、という音が聞こえた。顔を上げると、水の入ったグラスが置かれていた。
ゆっくりと身体を起こしながら、「すみません」と言ってグラスに口付ける。
身体が冷んやりとしてとても気持ちが良い。
「酒で具合が悪くなることは誰にでもあるしな」
そう言って部長は、私から少し間隔をあけて座った。
そして「でも」と言葉を続け、
「次回からは、女性社員がいる時に具合が悪いことを伝えろ。そうすれば俺の家まで連れてこなくて済んだ」
そう、言われてしまった。
怒らせてしまっている、よね? 当然だ、自己管理もまともに出来ていなかったせいで、こんな風に上司の家に転がり込んで迷惑を掛けているんだから……。
申し訳なさすぎて、目を逸らしながら「本当にすみません。ご迷惑をお掛けして……」と謝る。すると、
「違う、そうじゃない」
と、私の謝罪を否定される。
思わず顔を上げ、部長と目を合わせて「え?」と聞き返すと。