たとえ嫌だと言われても、俺はお前を離さない。

他の女性社員は花村さんの発言に「きゃーっ」と声をあげて盛り上がる。

「でも分かる～。部長ほどのイケメンはなかなかお目にかかれないもんね～」

「クールだけど実は優しいしー」

「応援するー！」


みんなが楽しそうにしている中、私は何も言えず、俯くことしか出来なかった。


そりゃあ、ここで部長との交際を公言する訳にはいかないけれど、そうでなくても私はすぐに言葉に詰まってしまう。

部長と付き合うようになってから、自分のこの性格を少しずつ変えられているような気がしていたけれど……気のせいだったのかもしれない。