自由帳【番外編やおまけたち】
「よかったら、ビールもどうぞ。あ、席はここが空いてますね」
もうひとりいた男性社員がわざわざ席まで案内してくれる。チラチラとこちらを見ては言いにくそうに口を開いた。
「おひとり、ですか?」
「はい……ちょっと他の者が都合つかなくて。賑やかなイベントなんですね」
「ありがたいことに沢山の方に来て頂けて。さすがに毎年は開催出来ないんですけどね。景気のいい時だけ」
「あはは」
話しやすい雰囲気に安心したら喉が渇いてきた。目の前の彼に遠慮しつつ注ぎたてのビールをひとくち飲むと、外でアルコールを飲むという開放感が体中を突き抜ける。
「はあ……美味しい!」
「お客さんいい飲みっぷりですねえ! 俺も一緒に飲んじゃおうかな」
「あ、どうぞどうぞ。座ってください」
ひとりで過ごすにはハードルが高いと感じていたところだったので、彼の気遣いに感謝した。丸いテーブル席に、向かい同士腰を下ろす。
「じゃあ改めまして。俺、寺内って言います。部署はーー」
お互い簡単に自己紹介をした。
ほんの少しだけ期待していたが、寺内さんという目の前の彼は、どうやら佐々岡さんとは別部署のようだった。
聞けば幾つかのグループ会社も存在するようで、スカイアグループ全体で考えると膨大な人数になってしまうらしい。