自由帳【番外編やおまけたち】
急に私の格好に目線を滑らせた佐々岡さんに、恥ずかしさが湧き上がる。自分の話に及ぶといきなり怒り出す私の理不尽さに、佐々岡さんは肩をすくめた。
「自意識過剰だろ。その態度、相変わらず」
「佐々岡さんだって相変わらずです!」
「しっ、少し声抑えろ。酔っ払い」
気付けば大分ヒートアップしていて、自分を見失ってしまっていた。お酒を飲んでいても冷静な佐々岡さんと自分を比べて我に返る。
「す、すみません……むぐ」
小さく謝罪した。
謝罪しながらも勿論、肉を食べることとビールを飲むことも忘れない。
「欲望に忠実過ぎるだろ……」
はあ、と目の前の佐々岡さんから大袈裟なため息が漏れた。
「まあでも、そういうところが北村らしいけど。……気を付けろよ」
「気を付けるって、何にですか?」
「そういうところ。あんたの職場じゃ若い男少なそうだし、分からないと思うけど……。あんまりこういう場所で酔っ払うな」
ひとりだって分かってたら絶対呼ばなかったのに……と、イカ焼きを噛みちぎりながら呟く佐々岡さんは、少し不機嫌そうに見えた。