自由帳【番外編やおまけたち】

「こっ、これは?! 今どういう状況ですか?」

「酔っ払いに説明するのは難しい状況」

「そんなに酔ってないです!」

「十分酒くさい」


くんくんとにおいを嗅ぐ素振りを見せられて、私は顔から火が出そうになった。シャツに顔を押し付けられたままだと上手く喋れず、私は逃げるように顔を背ける。


「近い! 近いですから!」

「暴れるなって、頭打つから」


むしろ頭を打って離れられるなら、是非ともそうしたいと心から思ってしまった。何が悲しくて、気持ちを寄せている人ににおいを嗅がれて酒くさいと言われねばならないのか。


「せっかくちゃんと謝ろうと思っていたのに……こんなのひどいです」


悲しい気持ちが抑えきれず、気付けばそう漏らしていた。


「謝る? 何で? 何に?」


不思議そうな佐々岡さんの声。何のことか全く分かっていなそうな雰囲気だ。


「その、結局私寝ちゃいましたし……それに、今日はずっと付き合って貰っちゃって、すみませんでした」

「それは気にしなくていい。俺が勝手にやったことだから。……こっちこそ、少し飲ませ過ぎたなと反省してたとこ」


ふ、と笑っている気配がする。
先ほどから体勢はそのままで、佐々岡さんの表情は伺い知ることができないままだ。

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