手をつないでも、戻れない……
 私は、スナックhanaの、扉を開けた。


「いらっしゃい」


 キラキラメークの、コウちゃんの声が響いた。



「あの……」

 私の声に、コウちゃんは後ろの彼をチラリと見た。


「まあ…… やっぱり……」


 コウちゃんは、分かっていたかのように、彼と繋いでいる手の方へ目を向けた。


「やっぱりって、何よ?」

 私は、コウちゃんを軽く睨んだ。


「美緒が、無理矢理服貸してって言うから、貸したけど。上手くやれるとは思って居なかったから。失敗したのね? というか成功か?」


 コウちゃんは、意味あり気の、女っぽい目つきで、彼を見た。


「ええ、失敗が、成功を呼びました」


 彼も、分けのわからない事を言っている。



「何よそれ! 着替えて来る!」


 私は、むっとして、カウンターの奥へと入った。
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