求めよ、さらば与えられん
薬草園で薬草を摘んでいたら、突然背後から勢いよく抱きしめられた。ビックリしたけど、最初ほどは驚かなくなった。



「一緒に転んだらどうするんですか? ルネ王子」

「大丈夫だよ。 転ばないようにリュカとロジェが助けてくれるから」



ゴルチエさんの眼鏡がキラリと光った。私が悪いわけじゃないんだけど、何故かいつも凄く睨みつけられる。


もう慣れたけど。



「そうかもしれませんがダメですよ。 ルネ王子に怪我があったら……と、みんな心配するでしょう?」

「そっか……うん、じゃあ心配かけないように気をつける」



素直な良い子。いつも私の目を真っ直ぐ見て、言葉を聴いてくれる。理解しようとしてくれる。


ふと、ルネ王子が太陽のような笑顔を見せた。



「僕、ベアトリーチェの笑った顔が好きだよ」

「え?」

「なんだか心がポカポカするんだ」

「ありがとうございます。 私もルネ王子の笑顔が大好きですよ」



私の方こそルネ王子といると空気が和んで癒される。





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