求めよ、さらば与えられん
「この薬草は何に使うの?」



さっきまで摘んでいた薬草を指さされた。


興味津々に目を輝かせている。本当に好奇心旺盛な子だ。



「これは主に胃痛の時に使います。 隣に生えている薬草は腸の働きが悪い時に役に立つ薬草です」

「ベアトリーチェはここに植えられている薬草を全て把握しているの?」

「はい、そうです。 万が一のことがあった時に直ぐに対応できなければいけませんから」



薬は作り置きしているけど、万が一無くならないとも限らない。そんな時すぐに対応できるようにと、ここに来て一番に薬草園の説明を受けた。


薬草園は私が安心できる場所の一つだ。レミーは色んな薬草の入り混じったにおいが苦手なのか、ここには一緒に来たがらない。



「ルネ王子、そろそろお時間です」

「えぇ!? 今来たばかりなのに!?」



眼鏡のふちをクイッと上げるゴルチエさんに対して、ブスくれた顔をするルネ王子。


飴と鞭の鞭担当のゴルチエさんにはよくブスくれた顔を見せる。綺麗な顔のせいか、その顔さえも可愛く見える。



「少しだけというお約束だったではありませんか。 もうお忘れですか?」

「少しすぎるよ! グレースと居るよりもベアトリーチェといる方が楽しいんだもん!」



え?グレースってグレース王女の事だよね?



「ルネ王子、そんな事を大きな声で申してはいけません」

「大きな声じゃなくともいけませんよ!!」






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