求めよ、さらば与えられん
ロッシ先生と一緒に怪我人の手当てをしていると、外から馬が駆けてくる音がした気がした。怪我人の腕に包帯を巻き終え、急いで外に出た。



「ヘンリー!!」



馬から降りたヘンリーに思い切り抱きついた。良かった。今日も無事に帰ってきてくれた。



「お帰りなさい」



ヘンリーは毎日戦地である隣国との国境付近へ偵察に行ってくれている。それから、食料や飲み物、手当てに必要な物などを町に調達しに行ってくれている。何処も今は安全と呼べる場所はない。



「ただいま。 今日も良い子にしていた?」

「あははっ、ちゃんと良い子にしてたよ」



何年経とうとヘンリーの中では私は幼い子供のままだ。私たちの関係は何も変わっていない。



「ヘンリーも怪我はしてない?」

「していないよ。 こう見えても強いんだよ?」



知ってる。だから町で揉め事が起こるとヘンリーはよく呼び出されては仲介してる。私と同じように町の人たちもヘンリーの事を頼りにしてる。



「強いに決まってる! だって私のたった一人のナイトだもん!」

「それは光栄だな。 ありがとう」

「あははっ、どういたしまして」





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