求めよ、さらば与えられん
凄く興味津々な目で見られてる。何て話をするべきか……。



「私はバルドック国出身なんですが、ジーン王子とはバルドック国で知り合いました。 初めてお会いした時はマクブレイン国の王子とは知らず、今でもつい知り合った当初のように話してしまって……以後気をつけます」

「え? 別に今のままでいいんじゃない?」



予想外な返答に驚いた。



「ジーン兄様が許してるなら、今のままでいいと思うよ」

「いや……許して頂いたわけではないんですが……」



出会いが最悪過ぎて今のままきちゃっただけで、ジーン王子からそのままで良いとは一言も言われていない。


普通に考えてマズイよね。一国の王子に対してあんな態度は……。



「嫌だったらとっくに切り捨てられてるよ」

「…………」



確かにそうだ。ジーン王子の性格上、気に入らない者に対しては冷酷だ。そう考えると私はそんなに嫌われてはないって事?


私がどう思おうと、ジーン王子は私の事をバルドック王家の人間だと考えてる筈。それなら尚更嫌われそうなものだけど……あの人の頭の中はよく分からない。けど、嫌われてはいないのかもと思った途端ホッとした。





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