【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
「説明してください」
「簡単に言うと、私と雅さんは不釣り合いかと」
「藍本さんって、そんなキャラでした? 周りの目を気にするようなヤワなお方じゃなかったと思うんですけど!」


なんかすごい失礼なことを言われてる気もするけれど。


「不釣り合いっていうのは、財力とか権力っていうやつ? 私と結婚するより咲希さんと結婚したほうが雅さん的には幸せになれるかなって。今回の二階堂オーナーの嫌がらせだけど、仮に何かの形でクリアできたとしても、近い未来また別のところで妨害工作を受け得るわけでしょう? そんなとき二階堂オーナーが後ろ盾にいれば雅さんも鬼に金棒じゃない。だから私……」
「雅副社長のために、ひいては三國不動産のために、身を引いた、と?」


眉をひそめた武田さんはさらに視線を鋭くし、テーブルをトントンと拳で叩いた。そんなキャラじゃないって、そのまま武田さんにお返ししたい。いつもの妹キャラの彼女とは別人格?


「藍本さん、結婚における幸せってなんですか?」
「それは……」
「財力ですか? 権力ですか? そんなもので幸せになれるんですかっ!」
「ちょっと声が大きい……」
「大きくたってかまいませんっ! 私、間違ったこと言ってますか??」
「言ってません……」
「雅副社長は藍本さんのことを本当に好きなんです! 心から愛してるんです! なのに藍本さんは財力だの権力だの言って。副社長がかわいそう過ぎます!!」


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