【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
おもむろに上がる右手が私の頬を包む。そのまま上に向かされ、私は姿勢を戻した。すっと寄せてきた彼の香水に体が締め付けられて動けなくなり、その隙に彼の顔が一気に近付いた。ちゅ。ついばむようなキス。頭の中も体の中もふわりとする。
一度離れて、瞳をのぞかれた。雅さんはわずかに微笑んでいた。
「なぜ、俺と別れるなんて言い出したんだ? タチバナとも復縁しないのに」
「そ、それとこれとは、また、ちょっと別でして」
「どう別なんだ?」
「だって咲希さんの方が私より適任かと」
「どうして?」
「財力とか品性とか」
「キミは結婚するのに相手の財力や品性で見るのか? 俺のことを好きだといったのは三國の財力か?」
「いえ! そんなことは決して……私は……雅さんが好きです、純粋に……」
「なら、俺もそうだ」
「でも、今回の再開発プロジェクトも二階堂オーナーが邪魔をして」
「そんなことをするなら二階堂オーナーとは縁を切るまでだ。だからキミは気にすることはない」
「でも……んんっ!」
反論しようとする私の口をキスで塞がれた。図らずも開いていた私の唇から湿った雅さんの舌が滑り込む。勝手に絡め取られて、身動きが取れない。もう逃がさないと言わんばかりに。
息を忘れてしまうほどの熱い口付け。苦しい……雅さんのスーツの襟をつかんだ。
「今日はこのくらいにしておくか。明日、二階堂オーナーが来る。同席してくれるか?」
「……はい」
*―*―*
一度離れて、瞳をのぞかれた。雅さんはわずかに微笑んでいた。
「なぜ、俺と別れるなんて言い出したんだ? タチバナとも復縁しないのに」
「そ、それとこれとは、また、ちょっと別でして」
「どう別なんだ?」
「だって咲希さんの方が私より適任かと」
「どうして?」
「財力とか品性とか」
「キミは結婚するのに相手の財力や品性で見るのか? 俺のことを好きだといったのは三國の財力か?」
「いえ! そんなことは決して……私は……雅さんが好きです、純粋に……」
「なら、俺もそうだ」
「でも、今回の再開発プロジェクトも二階堂オーナーが邪魔をして」
「そんなことをするなら二階堂オーナーとは縁を切るまでだ。だからキミは気にすることはない」
「でも……んんっ!」
反論しようとする私の口をキスで塞がれた。図らずも開いていた私の唇から湿った雅さんの舌が滑り込む。勝手に絡め取られて、身動きが取れない。もう逃がさないと言わんばかりに。
息を忘れてしまうほどの熱い口付け。苦しい……雅さんのスーツの襟をつかんだ。
「今日はこのくらいにしておくか。明日、二階堂オーナーが来る。同席してくれるか?」
「……はい」
*―*―*