【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔

「昨日、出来上がった。シリウスのエンゲージリング」
「はい。本当に青い……」
「青いものを身に付けた花嫁は幸せになれるんだろう? サファイアがここに隠れている。その光も受けて輝きを放っているんだろうな」
「そんなところまで。嬉しいです。ありがとうございます」
「ありがとう、ということは、受けてくれるんだろうな? 俺との結婚」
「はい……」


雅さんの手が私の顎を摘まむ。そっと上に向けられ、雅さんは顔を傾けて近付けてくる。

ちゅ。軽く音を立てて触れた唇。
一度軽く離れて、再び口付けられると、今度は温かく湿ったものが割り入ってける。

ダメだ……体がふわりと浮いた気がして、とっさに雅さんの胸に手を当てる。そのまま肩にしがみついて、雅さんのキスに耐える。


「今夜、うちに来るか?」
「雅さんの自宅ですか?」
「ああ。この1週間ホテル住まいで疲れた。自宅でのんびりしたい」
「なら、私はお邪魔しないほうが」
「いや、だめだ。早くキミを抱きたい。何年オアズケをくらったと思ってるんだ」
「何年って……ええっ? 私たち、あの夜、したんじゃないんですか?」
「正確にはしていない、最後まではな」
「でもホクロは見たんですよね?」
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