【番外編追加中】紳士な副社長は意地悪でキス魔
「しょ、所望なんてしてません! そ、そもそも。5年分の性欲ってなんですか!」


世の中にそういう関係が存在することは知っているし、認めるけれど。今夜結ばれたとして、私と雅さんの関係がこの一度きりなんて、それは嫌だし、雅さんにはそういうひとであって欲しくない。


「5年前に君を知った。癖のあることで有名な重役相手に突っかかっているのを見かけてね。その凜とした姿と可愛い顔がツボにはまって。有り体に言えば一目惚れなんだろうね」 

ピンポーンと間延びしたドアベルが鳴って話は中断した。雅さんは立ち上がり、玄関に向かう。

私の横を通る雅さんの手首をとっさにつかんだ。私の悲愴な眼差しに気づいた雅さんはその場で立て膝をつき、私の顔を心配そうに見上げた。


「イヤです」
「どうしたの?」
「一目惚れなんて」
「おいおい。どうしてそう思うの?」
「だってさっきからハニーって。名前を間違えたくないからですよね? ワンナイトスタンドってナンパして釣り上げた女の子と一緒にされたくない」
「あ、ああ。そういうこと。勘違いさせてしまったね」
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