甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
大くんと出掛ける日。
「…これで……大丈夫だよね?」
鏡の前で何度も何度も服装や化粧を確認する。
大くんと出掛けるために買った花柄のブラウスに赤いスカート。
少しでも大人な大くんの隣に並ぶに相応しい女性でありたくて。
大人っぽいものを選んだ。
気に入ってくれるかな……って私どんだけ意識してるの!?
「ゆあー?置いてくぞー」
「あ、待って今いく!」
玄関から大くんの声が聞こえて慌てて鞄をもって部屋を出る。
「お、お待たせしました…!」
「………」
既に靴を履いて待っていた大くんは私を上から下と全身を見る。
体に穴が開きそう……!
というか恥ずかしい…!
いつもより大人びて見える大くんを見れなくて俯く。
すると頭の上にいつも感じていた温もりを感じた。
上を向くと大くんは微笑みながら手を私の頬へと添える。