甘い初恋は、イケナイ最後の恋。
いつもからかってくる翔に頬を膨らませて怒っていると、教室の出入り口から大きな声で名前を呼ばれた。
自分の教室のようにズカズカとやって来るのはモカ色の髪をポニーテールにしている彼女。
「結愛!…ってどうしたの?そんな怒って」
「ちーちゃん聞いてよ!翔が私のことからかって遊んでくるんだよ!?」
「知紗だってよく結愛のことからかってるよ?」
「翔は黙ってて!」
「ハハッ!翔太郎が結愛の尻に敷かれてやんのー!」
シュンとなった翔を見て大爆笑するちーちゃん。
ちーちゃんも翔と同じで小学生の時から一緒にいる。
明るくて元気で、運動するのが大好きな活発娘。
でも料理などの家事をできるしっかり者でもある。
何でもできるちーちゃんに私は憧れてたりもする。
翔と似た者同士ではあるけど、翔と違うのは勉強ができないところと明るいところ。
勉強のできなさでは、私とは同胞である。